「ホントに星が降って学校ペシャンコになればいいのに—」。
失恋した女子高生ショーコが雨の帰り道で遭遇したのは、目に見えない傘を手にしたクラスメイトの片桐スイだった。
熊倉献さんの描く漫画『ブランクスペース』は、彼氏のできない女子高生と、その友人の持つ不思議な超能力を描いたSF漫画。
女子2人の他愛のない青春の日常とそれに陰を落とす学校生活のコントラストが不穏な、いま話題の作品です。
なお本作品は「このマンガがすごい!2022」でオンナ編第6位にランクイン。
まさに今読み始めるべき注目の作品と言えるでしょう!
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漫画『ブランクスペース』のあらすじ
雨の降る学校の帰り道、高校生の狛江ショーコはクラスメイトの片桐スイに遭遇する。
傘を持たずズブ濡れのショーコに対し、スイは目に見えない透明な傘を差していた。
この件をきっかけに、友達になる2人。
スイによると、頭の中で部品をイメージして組み立てられさえすれば、そのモノを透明ではあるものの実体化できるというのだった。
スイの能力で物を作って遊んだり、図書館で一緒に勉強するなど楽しく過ごしていた2人だったが、2年生になるとクラスが分かれてしまう。
少しずつ1人の時間が増えてきたスイは、次第にクラスのいじめの標的になりはじめる。
日常を描く淡々とした線からは想像できなかった予想外とも言える悪意。
スイの精神は不安定さを見せはじめ、やがて物語は思いもよらない方向へと向かっていきます。
漫画『ブランクスペース』はここが見どころ!作品の魅力を紹介
ここからは『ブランクスペース』の魅力について紹介していきます。
ポイントは主に3つ。
順番にご紹介していきます。
「透明なものを生み出せる」片桐スイの超能力
本作品の中心となるのが、片桐スイの持つ「イメージするものを実体化できる」能力。
まるで魔法のような能力ですが、特異的なのは生み出されたものは全て透明だということ。
空気のように透明で見ることができず、かろうじて触感を頼りに確認できるだけ。
とはいえ構成する部品さえイメージできていれば、それを組み上げることで複雑なものも構築可能。
トースターのような電化製品まで作り上げられます。
しかしやや不穏なのが、この能力は意識的なものだけではなくスイの無意識にも応じてしまうということ。
たとえば、ストレスを感じる場面でいつの間にか抱えている見えない風船。
このように、その瞬間の精神状態で無意識に生み出されてしまうものもあり、必ずしも制御できているとは言いがたいのです。
そして人を傷つけるものを作ろうとすれば、それもできてしまう……。
この能力が読み手を惹きつけるのは、スイの精神の揺れ動きをまるで鏡のように映し出しているからでしょう。
成績優秀かつ読書家で達観しているかのように見えながらも、人間的な暗い感情も秘める片桐スイ。
この能力の行く末がどのような方向に向かっていくのか、目が離せません。
残酷で陰湿な青春のリアル
学年が上がりショーコとクラスが分かれた片桐スイは、次第にクラスメイトからの嫌がらせを受けるようになります。
日々淡々と繰り返される陰湿な感じはいかにも学校のいじめでとてもリアル。
シンプルでほのぼのした絵柄とのギャップがキツさに拍車をかけていて、読んでいて心拍数が上がっていくかのような感覚をおぼえてしまいます。
そしてそれに対するスイの心理描写も優等生の本音的な部分も垣間見えてまたリアル。
次第に暴力的な欲求を募らせていくスイの行方が気になります。
拡張されていく「空白」の世界
物語の当初、スイの能力の秘密を知るのはショーコだけ。
ショーコとスイの2人だけの閉鎖的な関係性の中で秘密の共有が維持されるのかと思いきや、意外なところで……?
「空白」の世界観は思わぬかたちで拡張されていきます。
SF的な論理で説明されていた能力とはまた異なった、抽象的で概念的なイメージの広がりに驚かされるかもしれません。
どのような論理が物語の舞台となった空代市を覆っているのか?
差し込まれてきたもう一つの物語はどのようにショーコとスイの物語に流れ込んでくるのか。
こちらも目が離せません。
漫画『ブランクスペース』感想・レビューまとめ
以上、熊倉献さんの漫画『ブランクスペース』についてご紹介しました。
冒頭で申し上げたとおり、本作品は「このマンガがすごい!2022」でオンナ編第6位にランクインした注目の作品。
本記事を執筆している2022年1月時点で既刊が2巻ということで、話が大きく展開していくのはまだまだこれからかと思います。
ぜひこの機会に読んでみていただければと思います。

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